選手会長だった時


2009〜2012まで選手会長をやっていた時期があります。2010〜2013かも。はっきり覚えて無い….。当時、選手会事務局をしていた鈴木健二さんから頼まれた事が懐かしい(笑)。

さて、選手会長を依頼されたと言っても選手会は任意の団体。どういう事がやれるだろうか?全日本モトクロスが良い状態になるとはどういうことだろうか?

考えているだけでは何も始まらないのでとにかく動いてみよう。

最初の目的に考えたのは国際A級が国際A級らしく扱われること。その為にA級は特別な存在であると選手自身が感じられる事が必要と考えました。

1992、1993年にはMFJ選手名鑑という冊子がMFJから発行されてました。なので、それを作りたいとMFJにお願いをしたら1994年からは選手の肖像権を理由に作れなくなったと聞きました。

じゃあ肖像権を使わせて貰えば良いんじゃないか。

各バイクメーカーのファクトリーチームを運営しているメーカーの開発部署、各メーカーのサテライトチーム、各メーカーのサポートライダーが所属している各メーカーの営業部署にそれぞれ企画書を作って送りました。すると全てのメーカー、関係部署の方々が選手の肖像を使って構わないとの返事。

なーんだやれば出来るじゃん。

それで、次は普及のための配布用ポスターを作りたいので協賛して下さいと再度各バイクメーカー、各パーツメーカー、各輸入商者に企画書を作って送りました。複数社OKの返事。中には場所が空くならもっと宣伝したいから連絡を下さいとの事。嬉しい。出来上がったのが冊子では無くポスターにした理由はそこまで手が回らなかったということです。

でも、なーんだやれば出来るじゃん。

次はポスターを撮影してくれるカメラマン。ポスターを撮影する場所。ポスターを作るための選手への告知。滞りなくOK。

なーんだやれば出来るじゃん。

これは2010年に作ったポスター。メーカー、選手、MFJ、カメラマン、主催会場、協賛各社の協力でポスターは出来上がりました。今のポスターと比べると年代を感じる….。

お金が集まって、ポスターを作る事が出来たので次はインフラの整備は出来ないか?

常々、観客の休憩場所が無いことが気になっていたので、各会場の休憩所の確保とテントを購入して各会場に発送。あとは椅子をレンタルしてOK。会場によってテントが足りない場合もあります。その時はその地域の代表ライダーに先頭に立ってもらって、地元チームの所有する使わないテントを使わせて貰い休憩スペースの拡大をして貰っていました。

小さな子供を持つ母親のおむつ換えの場所の用意もしてみました。その際には主催者さんのご好意でベビーベッドを用意して頂いたりした事もありました。

他にも土日が雨の大会では、選手たちには表彰式でスポンサー以外にオフィシャルへの労いの言葉を述べて貰うなど開催側、参加側、来客者が良い関係にならないかを試行錯誤していました。レース後には終わってすぐにも関わらず、沢山の選手たちに参加をして貰ってこのポスターを使ったサイン会を開催していました。

最初はこういった活動を批判的な意見をいていました。理由は選手の意見ばかりを聞く事ができない。MFJの批判をしないで欲しい。そんな事をして何になる。

ですが、批判することを目的にしてなかったのを感じて貰えたのか進めていくうちに現状を変えたい人達がMFJ本部内、主催者、参加者、お客さんに大勢いる事でした。そして僕に色々と意見やアドバイスをしてくれる人も増えてきていました。

面白いスポーツを面白いと思ってやる。

それを見る。ただ、そういった事をふつうに出来ないかなと思っていました。

今思い返せば、メーカーにとってはメーカーイメージをアピールできる場でもあるし、世界的には人気のスポーツの主軸であるバイクの開発及び新型モデルが毎年実戦テストをしている場である全日本モトクロス。開幕戦には新しいファクトリーマシンを取材に来る海外メディアも目立ちます。世界のモトクロスファンが注目するモトクロスバイクを作っている場を生で見れる機会がある。

そして、これからを目指す選手が活躍する場。モータースポーツの楽しみを伝える場。

日本のモトクロスには独自の良さがあるはずだと思っています。

当時、僕は選手会活動を進める為の仲間を増やすことができず一人相撲になってしまい、どうして良いか分からないまま選手会長を退きました。

その後、他のカテゴリーに参加させて貰って、モトクロスとは違った独自のやり方で盛り上がりをみせてるカテゴリーもあります。そこにはメーカーも注力してる。カテゴリーに合わせたバイクも作られてる。

まだ、やれる事ってあったのかなぁと思っています。