速くなりたいということ。実践。


速くなりたいということ。

↑の記事の続きを書いてから色々と反応を頂きました。その中に質問があったので一つ。

「速くなりたい」は、思った時点で達成するなら、上手くなりたいんだけどどうしたらいいですか?

上手くなりたいも思った時点で達成されますが、質問の意味はそうではないですね(笑)

なので、続きとも言える実践について。

結論から言うと「慣れる」事です。慣れれば上手くなったと感じられます。

文字を書く。と言う動作を例えに説明します。

多くの方は利き手と利き手では無い手では字の上手さの具合が異なるのではないでしょうか?

(利き手を骨折してギプスをつけている期間が長かったなどの理由で利き手では無い方でも十分に字が書ける場合は除きます)

利き手ではペンの持ち方、書く文字のイメージ、ペンが紙の上を滑る感覚は無意識に並列に、自然と行われると思います。

しかし、利き手では無い手では、まずペンがしっくりと掴めているかが気になると思います。そして書く文字を考えながら、ペン先を目で追い、文字とペン先と書かれていく文字を確認しながら手を使ってペンをイメージの方向へ動かすという動作になるんではないでしょうか?この動作を順序だてて文章を書いていてもぎこちなく感じます(笑)。

これら一連の動作と体感は利き手側で経験があるにも関わらず、利き手でない側では同じように出来ないんです。これは利き手じゃない側とそこに指示を出すと言う動作自体に慣れていないことが理由だと考えています。

なので、不得意な事は慣れるまでやると上手くなると考えています。

バイクでは左手はハンドル握る時々クラッチ操作。右手はハンドル握る、アクセル開ける、アクセル戻す時々ブレーキ握ると手の操作だけでも複雑です。

とにかく慣れるまで乗る。慣れるまで乗れるように環境を作るってのが上手くなるプロセスの一つだと考えています。


速くなりたいということ。


速くなりたい。こういう話をよく聞きます。

コースで人に会った時、サスペンションの相談を受けた時などによく聞きます。比較的スピードが求められるモトクロスで聞かれるフレーズです。

先日、お会いしたキッズライダーと親御さんからもお話を伺いました。

ですが、速くなりたいって願望はライダー自身が自分は速いと思った時点で叶ってるんです。

そんなバカなと思います?

速くなりたいと願い続けると速くなれるバイクや技術やその他のものがやって来るっていう引き寄せの話じゃ無いですよ。

自分は速い。これだけで速くなりたい目標は達成されます。これで自分は速くなってます。

「あなたは速いですか?」

「はい。速いです。」

ほらね。速くなっているでしょ。自分は速い。ホントにこれで十分なんです。

だけど、リザルトは良くならない…。こんな声が聞こえてきそうです。

はい。速いこととリザルトが良い事は別の事です。

自分が望むリザルトに近づける一要素として速さ(スピード)は必要です。となると速くなりたいという考えは、リザルトを良くする事が目的という事になりませんか?

速くなりたい人とリザルトを良くしたい人では手段が違います。速くなりたい人は自分は速いと思えばなります。

しかしリザルトを良くしたい人は走行技術、バイク、その他にもリザルトを良くする為の手段が色々とあります。もちろんそれらを準備するにはお金が必要です。お金をかければ必要な練習量を含めて、レースで良いリザルトに近づく可能性が上がります。その際たる例がファクトリーチームです。良いリザルトを出す為に可能性の高そうなライダーを雇う。リザルトが出そうなバイクを作る。正確に整備をするメカニックを雇う。という感じに作り上げていく訳です。

とあるキッズライダーと親御さんは速くなりたい理由にモトクロスを職業にしたいと言いました。

現在、日本にはファクトリーライダーは4人です。それ以外にレースが職業のライダーはおそらく2、3人。その他はレースでは無い事でお金を稼ぎレースに参加をしているという事です。契約テストライダー、社員テストライダーなどなど。ライダーを職業にしているのは十数人な訳です。

ということでレースライダーを職業にするには約6、7人の中に入るという事です。

速くなりたいという話を続けていくと必ずライダーという職業の話になります。つまりライダーとしてお金を稼ぎたいと思ってる人がいるという事なんでしょう。

お金を貰いながらモトクロスが出来る環境を目指してるんです。

別にレーシングライダーでも無くて良い。テストライダーとしてでもお金を得ながらモトクロスしたいということも選択肢のひとつです。レーシングライダーとしては良いリザルトが出せる事。テストライダーとしては売れるバイクが作れる事。社員テストライダーとしてはバイクメーカーに入る事。それぞれの目的に合わせて手段を実践していけばいい。

速くなりたい。と言っている人は、速く走れていればそのうちに職業になるような事が起きるだろうと考えているのでは無いでしょうか。可能性は無くはないと思います。しかし、速くなりたいと闇雲にバイクに乗っているだけでは、ただ練習しろと闇雲に言ってるだけでは職業にしていくのは難しいのでは無いかと思います。

そして何人かのキッズライダーと親御さんにお話を伺ってて、ライダー本人と親御さんとの間に目的の違いがあるのではと感じました。お互いに本音で話す事は難しいかもしれませんが、 ぼんやりだとしても目的がみえてこられれば手段が選べるようになります。

そして自分が知らないことがあるという事を認めて、新たに知っていくというのはとても重要です。

どうやって知ればいいのか。僕が実践してるのは本を読む。人に会って話を聞く。現場に足を運ぶ。

これらの事を続けていけば感じられる事はあるのではないでしょうか。

速くなりたいはすぐに達成出来ます。

自分が、自分の子供が速くなりたい理由は他に目的があるのではないかと考えてみるきっかけになればと思います。


NOVA racing 佐々木彰氏


2009年頃。サスペンションのセッティングに悩む事すら出来ない時期にNOVA racingのサスペンションのついたCRF450Rに乗せてもらう機会がありました。とても衝撃を受けたのを覚えています。僕の知ってるCRF450Rではなかったので。自宅に戻ってからもその時のフィーリングが強烈に印象に残っていて、どうやってあのフィーリングのバイクを作れるのかが知りたくてNOVA racingの佐々木さんに電話をかけました。ダートクールでコラムの連載をしていた時だったので僕の事を知って頂いてて、来てもいいよということですぐに渡米しました。佐々木さんにお世話になりながらモトクロスというスポーツのこと、サスペンションについて、フレームについて、エンジンについての話を沢山聞かせていただきました。ほとんどのことは理解出来ずに頷いているだけでしたが…。

その時の話の中でカートリッジフォークを初めて設計したのは自分(佐々木さん)だと仰ってました。設計したサスペンションの写真も見せて頂きました。しかしご本人の証言以外に確かめる事は出来ず、僕は本当かなぁと思って聞いていました。(佐々木さん、ごめんなさい)

帰国後、試行錯誤をしてようやく佐々木さんのバイクのようなフィーリングに近づいたかなと思った時に感じました。

本当に佐々木さんはカートリッジフォークを創ったんだと。

なぜそう思ったのかと言えば、ライダーは気持ち良くライディングをし、その結果、速くてリザルトが良いと嬉しいわけです。その為には扱いやすくて速いバイクが必要であり、それらを構成しているエンジンやサスペンションなどのパーツがライディングがしやすいように速いように纏まっている必要があります。サスペンションを例にすると、サスペンションフィーリングを変更するのは大雑把に言えば減衰力、スプリングレート、剛性、ストローク量、フリクションなどです。どこを変化させてもフィーリングは変わります。しかし先に目的が無ければ、それら一つ一つの変更は意味を成さない訳です。目的を持つからこそ、手段が思い付くということ。なかなか理解しにくい考え方かもしれません。

目的はイメージしにくく、リアリティが低い。

手段はイメージしやすく、リアリティが高い。

人間はリアリティが高いものが意識に上がりやすい。なので手段に意識がいってしまって、気がつくと手段を目的にしてしまっている。こういう事はよく起こります。

目的が先、手段は後。重要な事だと思います。

佐々木さんはライダーがどうやったら速く走れるかという目的がイメージできるからこそ、必要なバイクの性能イメージを持つ事ができ、その性能を出せるカートリッジフォークを創ったんだろうと感じました。現代のバイクにおいても佐々木さんからアドバイスを頂いたこと(サスペンションだけでは無くそれ以外も)を実践すると現代のトップライダーが走り易いと驚くことがあることも事実です。

モトクロスバイクの特性とカートリッジフォークの特性を熟知していないと知り得ない情報。

人から聞いた二次情報では無く、自らが知り得た一次情報。

それは創った人でないと分からないんじゃないのかなと感じています。この話は証拠にはなりませんが、僕はカートリッジフォークを創ったのは佐々木さんだと信じています。


2018/3/3 CGCひなまつりED


やっと書けた。

一年ぶり通算2度目の参加になるひなまつりED。

今回は3/4日曜日に私用があったので3/3土曜日に開催される、さわやかクラスへの参加です。

昨年参加した、最上位クラスおだいりさまクラスからのより初級者向きのクラス。

しかし、クラスが違えど僕はあのコースを周回出来るのか?

そして愛機XR250R(ME08)は周回出来るか分からない僕と120分付き合ってくれるのだろうか?

タイヤはVE33の新品を履いたし、パンク予防でダブルチューブにしたし、低空気圧に対応出来るようにビードストッパーは2個付けた。装備はレギュラー陣(周回出来る人全員)とほぼ遜色無しのはず。もし懸念があるとすれば少しだけバイクの年式が古いだけなのよ。

さて当日。

結果から言うと、順調に周回出来ました。ME08とタイヤと僕のシンフォニー。1周なんて言わず9周も走れちゃいました。リザルトは8位。

が、翌日に予定してた私用が後日に変更になったので、さわやかクラスで優勝する事が出来たらおだいりさまクラスへの参戦を許可しますという主催者さんからの嬉しい?提案がありました。

さわやかクラスのリザルトは無事8位。優勝には届かずと言う事で…、おだいりさまクラスを走らせて貰える事に。

え?走らせてくれるの?嬉しいの?悲しいの?有り難いの?なんなのこの気持ち?

ということでおだいりさまクラス参戦です。

さて日曜日。おだいりさまクラス。うー身体が重い。止まった時にバイクが押せない。これは苦しい。ヒルクライムで転倒した際にフロントブレーキのバンジョーボルトが緩んだ→締めて再スタート→ヒルクライムで再度転倒→エンジンから異音…。

結果は一周も出来ず…。

あーおだいりさまはなかなか気を許してくれないなぁーと言うか、僕の引き出しに周回できる技術は入って無かった。

https://youtu.be/YTqpCmH2hEs